用語集

あ行

アキシアル荷重

アキシアル荷重とは、軸受の中心線に対し平行な方向、つまり回転体の軸方向にかかる荷重のことです。 アキシアルの語源はラテン語と言われており、軸、心棒、茎を意味する言葉です。 また、「スラスト」という言葉も軸方向を意味するため、スラスト荷重とも表現されます。 これらの荷重を支える軸受はアキシャル軸受、スラスト軸受と呼ばれ、ボールねじにおいては、アンギュラ玉軸受などが採用されます。 アンギュラ玉軸受は、転動体に玉を使用しているため,起動トルクが小さくなる性質があります。 そのためボールねじの駆動力を小さく設定でき、より小さな寸法の球を多数使用することにより、 軸受のアキシアル耐性が大きくなります。

アクチュエータ

アクチュエータとは、入力されたエネルギーを物理的な運動に変換する機械要素のことを言います。電気や、油圧、空気圧、磁力をエネルギー源としますが、電気エネルギーを運動に変換するアクチュエータが一般的です。アクチュエータは、ものを動かしたり制御をするために利用されます。作動原理によりさまざま種類がありますが、ボールねじ、ベルト、リニアモータなどを利用したアクチュエータが一般的です。 中でも、ボールねじアクチュエータは、ワークの搬送、位置決めに用いられます。高精度な位置決めが必要な場合に適しています。また、ボールねじアクチュエータは、ボールねじに必要な周辺要素である、軸受け、ガイドレール、テーブル、モータ取り付け部品等をコンパクトにユニット化した製品であるため、ユニット単軸の利用だけでなく、2~3軸のユニットでX-Y組み合わせ、X-Z組み合わせなど、組み合わせての利用も可能です。

イナーシャ

イナーシャとは物体がその時の状態を維持しようとする大きさを示す数値のことです。物体のイナーシャの値が大きいほど、 物体を動かしたり回転させる際に必要な力が大きくなります。例えば、ピンポン玉とボーリングの球を比べると理解しやすいです。 物体をあるポイントまで転がして、停止させる場合、ピンポン玉はほとんど労力を必要としませんが、ボーリングの球では重たく大変です。 ボーリングの方が球加減速時に大きなエネルギーが必要になるため、イナーシャの値が高い事が分かります。 ボールねじにおいてもイナーシャの値を意識することが重要です。イナーシャは慣性モーメントとも呼ばれ、この慣性モーメントの値が、トルクの選定 基準になります。回転トルクT[N・m]=慣性モーメントJ[kg・m2] × 角加速度α[rad/sec2]となるようにトルクを選定します。適切なトルクを選定するためにイナーシャの値を計算する必要があります。

エンコーダ

エンコーダとは、回転角や移動量を電気信号として符号化するセンサーのことを言います。回転型のエンコーダをロータリーエンコーダといい、回転の移動量や角度を検出します。また、直線型のエンコーダはリニアエンコーダといい、直線変異を検出します。 ロータリーエンコーダは、モーターと組み合わせることで、モーターの位置、回転数、速度などを制御します。 ボールねじは、モーター等による回転運動を直線運動に変換する機械要素です。そのため、ボールねじを駆動するモーターにエンコーダを組み付けることにより、回転数、位置を制御することが可能になるので、高い精度の位置決めをすることができます。

エンドキャップ式ボールねじ

ボールねじは、ねじ軸、ナット、ボールなどから構成されており、回転運動を直線運動に変換する機械要素です。 ねじ軸とナットの間にあるボールが転動することにより駆動します。その際、ボールが無限に循環するための循環部品が必要になりますが、その循環方式により、様々な種類のボールねじがあります。 エンドキャップ式ボールねじは、鋼球がねじ軸とナットの溝の間を転動し、ナットの両端に取り付けた循環部品(エンドキャップ)が鋼球をすくいあげ、元に戻す機能を持った循環方式です。ナット本体には鋼球が行き来するための貫通穴があります。リードが大きい(リードがねじ軸外径の2倍以上)のボールねじに使われています。

エンドデフレクタ式ボールねじ

ボールねじは、回転運動を直線運動に変換する機械要素であり、ねじ軸、ナット、ボールなどから構成されており、ねじ軸とナットの間にあるボールが転動することにより駆動します。 ボールねじが駆動するためには、ボールが無限に循環するための循環部品が必要になります。様々な循環方式のボールねじがあります。 エンドデフレクタ式ボールねじとは、ナット内部または外部の両端に設置されたエンドデフレクタが鋼球をすくいあげ、ナット貫通穴を通って元の溝に循環する方式となっています。 エンドデフレクタ式ボールねじは、リターンプレート方式に比べ、ナット外径がコンパクトで、静粛性に富みます。中リード(リードがねじ軸外径の1倍~1.5倍ほど)のボールねじに適しています。

送りねじ

送りねじとは、モーター等による回転運動をねじの働きで直線運動に変換する機械部品のことを言います。送りねじには、主に台形ねじを利用した「すべりねじ」とボールを利用した「ボールねじ」があります。すべりねじは、モーター等の回転運動をねじの働きで直線運動に変換します。ボールねじは、モーター等の回転運動により、ナット内のボールが転動することでナットが直線運動します。すべりねじは、ボールねじに比較して安価であり、ナット内にボールの循環構造が必要ないため、ナットを自由に設計できたり、小さいピッチで制作できるなどの特長がある一方で、ボールねじは、摩擦が少ないため機械効率が高く、バックラッシが小さいなどの特長があります。