ボールねじの効率

ボールねじは、回転運動を直線運動に変換する機械要素の一つです。ボールねじは、ナットのねじ軸の間をボールが転動して駆動するため、非常に機械効率が高い事が特徴としてあります。つまり、モーター等から入力されたエネルギーを効率よく、直線運動のための推力に変換することができます。

ボールねじの機械効率は90％程もあります。ボールねじと同様に、回転運動を直線運動を変換する機械要素にすべりねじがあります。すべりねじの機械効率は30％程であるため、ボールねじの機械効率は、すべりねじのそれの3倍ほどあります。

ボールねじの機械効率が高い事から、ボールねじを駆動させるために必要な力も、すべりねじに比べ少なくて済みます。つまり、駆動トルクが小さくて済みます。

ボールねじの用途

ボールねじは、一般的には、ワークの搬送と位置決めに利用されます。

ボールねじは、それ単体でワークの搬送、位置決めができるわけではありません。

ボールねじは、軸方向のみの負荷荷重を受けることができます。そのため、ボールねじは垂直荷重やモーメント荷重を受けることができないため、ガイドレールにそれらの荷重を受け持ってもらう必要があります。また、回転運動を作り出すために、モーターも必要となります。ボールねじとガイドレールとモーターを併せることで、ワークの運搬、位置決めが可能になります。

ボールねじは、主に半導体製造装置､産業用ロボット､工作機械の搬送･位置決めに活用されています。

NC旋盤と呼ばれる数値制御によって動く工作機械には、送り機構を構成し精密位置決め精度を得るためにボールねじが使用されています。

現在でボールねじは、食品機器、医療機器などの様々な分野の機械で利用されています。

ボールねじの摩擦の原因

摩擦は、ボールねじの機械効率に大きな影響を与えます。

ボールねじの機械効率のに影響を与える摩擦には様々あります。

ボールとねじ溝の間の摩擦、ボール同士の摩擦、循環機構の摩擦、そして潤滑剤の粘性摩擦があります。

摩擦が大きいと、ボールネジの精度や機械効率が悪化してしまうなどの影響を受ける可能性があります。

そのため、ボールねじを使用する際は、摩擦が大きくならないように気をつける必要があります。

ボールねじの効率の計算方法

ボールねじの効率を計算することは、ボールねじに推力を与えるために必要な駆動トルクを把握するために重要になります。

駆動トルクを把握したうえで、ボールねじ駆動に適したモーターを選定することができるようになります。

ボールねじの効率は以下のように計算します。

また、ボールねじに必要な駆動トルクは以下のように計算します。

ボールねじの製作事例

エレベーター用チューブ式フランジ合わせダブルナット

エレベーター用のボールねじ製作事例です。型式BS9080-HFHPA1-11010-10230-C3のチューブ式フランジ合わせダブルナット仕様となります。荷重1000、送り速度80、移動距離8000にて稼働します。全長は 9965mmの長尺で、軸径φ90の大径ボールねじとなります。リード長さは80mm、精度等級C3です。

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車輪旋盤用こま式片フランジシングルナット

車輪旋盤用のボールねじ製作事例です。型式BS4005-FD8-570-360-C5のこま式片フランジシングルナット仕様となります。荷重200、送り速度10、移動距離400にて稼働します。全長は 570mmの長尺で、軸径φ40の大径ボールねじとなります。リード長さは5mm、精度等級C5です。

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