ボールねじのよくある故障
ここでは、ボールねじを使用していると、発生しやすい故障を紹介します。
故障の原因と、対処方法について、簡単に説明させていただきます。
1.給油不足による低寿命化
ボールねじについて、磨耗や摩擦の低減を目的としてグリスの給脂やオイルの給油が必要となります。給油を行わないと、早期の破損につながり、ボールねじの低寿命化のリスクが発生します 。
対処方法
オイルの給油
グリスの給脂
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2.温度上昇による動作精度低下
ボールねじが動作すると、摩擦によりねじ軸温度が上昇することがあります。ねじ軸の温度が上昇すると、ねじ軸が熱により伸びるため、動作精度が低下してしまいます。
高速動作を行う場合、 ねじ軸の温度上昇は顕著に表れるため、発熱対策が必要となります。
対処方法
最適なオイルやグリスの選定
リードを大きく、回転数を少なく
ねじ軸表面を空気で冷却
3.ボールの循環不良
ボールの循環不良は、ボールねじの経年劣化だけではなく、異物の混入により発生します。マシニングセンタや旋盤のような切削加工機の場合、切粉や粉塵がボールねじの循環機構内に混入し、循環不良を発生させます。また、潤滑油とは性質が異なる切削油が混入し固まることで循環不良に繋がる場合もあります。
対処方法
防塵機構を持つボールねじの選定
4.異常トルクの発生
ボールねじにおいて、異常トルクにて回転する場合があります。異常トルクの発生は、チューブの衝突が原因となることが多いです。異常トルクが発生するとボールねじへの異常な負荷だけではなく、他の部品の負荷も高まるため、多様な部品の故障や低寿命化につながります。
対処方法
機械取り付け精度の向上
5.ナットの脱落
ボールねじはナット、ねじ軸、循環部品からなる機械要素ですが、ねじ軸からナットが脱落すると、ボールが外れ、使用ができなくなります。軸上でナットを回転させていると総ねじの場合はナットが抜け落ちてしまう場合があるため注意が必要です。また、小型ボールねじの場合はナットが落下しやすくなります。
ナット脱落の際に、ボールが落下しない場合もありますが、ナットを無理に戻すと、循環回路外にボールが侵入するリスクがあります。また、予圧をかけていない場合は、ボール落下のリスクが高くなります。
対処方法
落下防止機構の搭載
軸、ナットの固定
予圧荷重の最適化
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今回は、発生しやすい故障の原因と、対処方法について、その一部を簡単に紹介させていただきました。
紹介させていただきました故障以外にも、ボールねじに発生するトラブルは他にもあります。
ボールねじにおいて、動作に異常を感じた時、稼働時に異音が聞こえる時は、無理に加工継続せず、すぐに保全を行うことが大切です。
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