ボールねじの寿命とは
ボールねじの寿命としては、精度劣化による寿命と疲労破損による寿命との2つあります。
単に、ボールねじの寿命といった場合は、疲労寿命を指します。
精度劣化については、使用条件、潤滑条件、環境等により大幅に変化するため、どの程度までを寿命とするかは使用目的によってここに判断しなければなりません。
ボールねじの寿命計算方法
ボールねじを同じ条件下で回転をさせ続けると、あるばらつきをもって逐次転がり疲労による剥離が生じます。
全体の90%が剥離を起こすことなく、回転できる総回転数を定格疲労寿命としています。
定格疲労寿命は、基本動定格荷重から求めることができます。
基本動定格荷重とは、ボールねじを運転した時に、そのうちの90%が「はくり」を起こさずに回転できる寿命が100万回転になるような軸方向荷重のことをいいます。
定格疲労寿命と軸方向荷重、基本動定格荷重との間には次の関係があります。
ボールねじの選定にあたって、寿命を過大に見込むことは、それだけボールねじが大きくなり、経済的ではありません。参考としての寿命の目標値を下に示します。
時間(H) | 走行距離(km) | |
工作機械 | 20,000~30,000 | 250~350 |
一般産業機械 | 10,000~20,000 | 125~250 |
自動制御装置 | 15,000 | 200 |
計測装置 | 15,000 | 200 |
ボールねじの劣化によるトラブル
ボールねじが劣化を起こすと、フレーキングが発生します。
フレーキングとは、軌道面や転動面の表層部が うろこ状にはがれる現象をいいます。
悪化すると、著しい凹凸ができてしまいます。
ボールねじが荷重を受けて回転すると、ねじ軸やナットの転走面およびボールの転動面は、繰り返し荷重を受けることになるので、劣化してくると、フレーキングが生じます。
すると、ボールねじの位置決め精度が低下したりといった影響が出て来ることとなり、
トラブルの原因となります。
ボールねじが劣化し、フレーキングが生じたら、ボールねじの交換、あるいは修理をする必要性があります。
また、当初見込んでいた寿命よりも早くフレーキングなどの現象が見られる場合は、ボールねじに異常があると考えられます。
寿命より早く異常を見つけた場合は、どこに異常があるのかを把握し、適切な対処をする必要があります。
ボールねじの修理事例
再組立て
- トラブル:使用による摩耗での予圧抜けの処理
- 対象機器:切削加工機
- 対象箇所:刃物移動部
BEFORE
長期使用された切削加工機において、加工対象物の形状によってボールねじの特定ストロークだけが摩耗し、バックラッシュが発生していました。そのため、位置決め精度が落ち、切削精度の低下に繋がっていました。
ボールねじの製作事例
マシニングセンタ用チューブ式片フランジシングルナット
マシニングセンタ用のボールねじ製作事例です。型式BS3612-FRPB2-1129-888-C5のチューブ式片フランジシングルナット仕様となります。荷重500、送り速度36、移動距離900にて稼働します。全長は 1129mmの長尺で、軸径φ36の大径ボールねじとなります。リード長さは12mm、精度等級C5です。
ボールねじのことならオージックまで!
当社では、ボールねじの修理、製作を行っております。
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